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「現場力を高める見える化手法プロジェクトファシリテーション」 〜モチベーションアップのツールと場つくり〜 - さいとう (2006年10月21日 20時29分51秒)

平鍋先生を向かえての jus の勉強会が行われ、参加してきました。

平鍋先生は私の中では awker です。(え?

日時
2006 年 10 月 19 日 18:30-20:30
場所
東京体育館第一会議室

自己紹介

平鍋先生は 1998 年大学卒業なので、私よりも 5 年年上です。最初に CAD 開発を手掛け、C と shell という「硬いものと柔らかいもの」を使い分けているそうです。また、基本的にはオブジェクト指向派で、「技術 > プロセス」であると考えていたらしいのですが、2000 年に XP の世界に入ったそうです。なお、平鍋さんを紹介したのは jus の佐藤さんだそうです。某 F 社ではアジャイルというか業務内容の見直しで呼ばれたこともあるそうで、某 N 社の話題も挙がっていました。

永和システムの代表取締役で、従業員は 200 名あまりだそうです。そのため、他社のプロジェクトの外注を受けて仕事をする機会もあるそうです。

まぁ、どうでもいいんですが、平鍋先生はギターのコード変換を awk で処理したスクリプトを紹介したこともあり、私の Blog でも紹介したこともありました。Blog でも書かれていたように HDD を整理していた時に見つかった過去の遺産だそうですが、次回の awk 勉強会には興味を示されていました。

使用した資料はネット上にも掲載されている物で、誰でも閲覧可能ですが、やはり本人から講義を受けると誤認識していた部分も多々ありました。こうした部分を少しまとめたいと思います。

内容

使用した資料はほとんど以下のものと同じです。また、実際には使用されませんでしたが、朝会ガイドも添付されていました。

実はどちらも、某社で私が見つけてきて実践してみようとしていたものなので、以下は資料を見て自分が考えていたことと、講義とのギャップについてのメモになっています。

プロジェクトの成功は、Moving Target

「2 年後売れると思って開発した製品は、2 年後になると売れない」ということがあるように、流動的な仕様と現実とのギャップを狭くしていくことが目的です。また、「今、どこにいるのかを明確にし、揺れる需要に最後にミートする」ようにしていきます。これは「風に揺れるリンゴを揺れるはしごの上に乗ってつかむようなもの」だそうです。

見える化

重要なのは、「一箇所に、大きく書かれてあって、自分、相手、審判と観客全員が見ている」ことです。

バーンダウンチャート

バーンダウンとは「鎮火する」の意味です。縦軸に要求件数を、横軸に 1 回のイテレーションを取ります。イテレーションの単位は、1 週間くらいとし、必ず手でプロットします。見える化には必ずアナログ的なものを用います。

途中で進捗と予定が開いているところがありますが、ここで「今週はヤバイぞ」という異常を見えるのが分かります。ここで、優先度を変更するだとか、頑張って残業するなど、行動を行わせることが目的です。

車のタコメータも同じで、レッドゾーンに入ると危険な状態にあることを見える化しているものと同じです。

かんばん

「今、何をやっているか分かるようにする」ことが目的です。ToDo? に名前を書いて Doing に移しますが、手で名前を書くことでコミットの意識を持たせます。また、指示待ちではなく、自分で取っていくことが望ましいです。

ポータブルかんばん

これは某 C 社で実践した例で、まな板立てにかんばんを挿して使っています。その名も「かんばん -nano」。

次のページはウォーターフォールでのかんばんの例で、某 Y 社で使われているものです。ソフトの開発は見えにくいものですが、物理的なもので表現することが重要で、「指で指せるもの」であることが重要です。

また、形のないものを形にするだけで右脳 (空間把握能力を司る) が活性化し、チームの中での共通理解になります。Excel は物ではないため、望ましくありません。

朝会

「朝、声を出す」ことが重要です。詳しくは朝会ガイドを参照してください。また、時間は 15 分とし、それ以上は「2 次会」で行います。

ここでの発表は、

  • 昨日やったこと
  • 今日やること
  • 問題点

の 3 点のみとします。

また、「部外者には発言権がありません」

あんどん

あんどんにより「欠陥の長期滞在を排除」することが重要です。1 つでも問題があれば点灯させます。「欠陥のムダは欠陥の大きさ×滞在時間」であるため、ラインを止める権限は作業者にあります。

また、海外では XFD (eXtreme Feedback Device) というそうです。

例えば、

  • お客様からの不具合
    • →ランプが点滅
  • 社内への周知徹底
    • →ランプが点灯に変わる
  • 問題解決
    • ランプが消灯

というように使います。

だるま

だるまの目は「Begin と End」です。

ペアボード

ノートは人に知らせるには向いていないし、事務所にあるホワイトボードはポータビリティが低いのが欠点です。また、1 人 1 個のペアボードを持つのが望ましいです。

100 円ショップで購入した画板にホワイトボードの表面を張ったもので、総額 200 円のものを使っているそうです。(大きさは A4)また、飲み会でも使用したり、ライブハウスなどで使っても効果的だそうです。(平鍋先生はリクエスト曲をペアボードに書いてリクエストしたこともあるそうです)

色つき UML

UML である必要はなく、物理構造を明らかにして、指で指せるようにするもので、「ここ」とか「あそこ」が通じるようにすることが重要です。決して正確である必要はありません。できれば A1 の紙が望ましいそうです。

具体的には「潜水艦の作戦司令室」のようなものだそうです。

ふりかえり (1)

「金曜日の 3 時間」はふりかえりの時間とか決めておきます。必ず「問題 vs 私たち」となるようにします。「問題の理解」が重要であり、「問題ばらし」とまで言われています。また、ふりかえりを行うことで理解と解決が同時に進んでいきます。

ふりかえり (2)

チームが毎週金曜日に Keep と Try をやるだけで効果があります。また、全てを解決するのではなく、「自分たちで来週できるもの」を解決していきます。

ふりかえり (3)

英語では Retrospective と言われ、「前向きなふりかえり」と訳されます。

上には線表を書いて、下に自分たちがやったことを並べます。そうすることで「僕たちは良くやったよね」となり、自分の物語が自分たちの物語に変わっていきます。また、「打ち上げ」はプロジェクトのひとつですので、必ず「打ち上げ」をします。

マインドマップ

マインドマップは、「ノート術」のひとつです。真ん中にテーマを書き、絵など視覚的インパクトの強いものを入れますが、これが思い出すときのブックになります。

人間の記憶力にはあまり差がありませんので、思い出す時のフックの大きなものを作ることが重要です。

Demos (JUDE)

この JUDE で作られたマインドマップは TAB 区切りのツリー構造になっていますので、Excel にペーストすればツリー構造の表になり、PowerPoint? にペーストすればスライドの見出しが完成します。

にこにこカレンダー

にこにこカレンダーはムードの見える化です。これを見れば「一人だけダメダメだったら、声をかけてあげたり、相談する」などの行動に移すことができます。

にこにこカレンダーの例

リリース日を過ぎるとニコニコが増え、リリース日に近づくにつれて厳しくなってきているのが目に見えて分かります。問題は、厳しくなっている時にいかにモチベーションを上げていくかです。

見えなければ行動ができない

今まで書いた部分は全て参考になりそうなものですが、全てを行うものではありません。

「ファシリテーション」とは

ファシリテーションとは「場作り」です。

アジャイルソフトウェア開発

XP の中に、「終わったら必ず顧客と食事をすることもプロセスのひとつである」と書かれている。「勇気」だとか「敬意」といったアナログ的なものが見直されています。

リーンソフトウェア開発

「リーン」とは、「痩せている」の意味で「無駄のない」というトヨタの言葉の置き換えです。また、「リーンソフトウェア開発」の第 2 版が出ます。

トヨタ生産方式からのヒント

Pull 型の生産はまさにアジャイルであり、「欲しいものを 1 つづつ作っていく」とこです。

一人ひとりに工夫の権利が与えられることで、チームで工夫したりチーム全体が向上していきます。

日本語では「ハネムーンナンバー」(何人寿退社しても大丈夫か?) と言われますが、「トラックナンバー」と言う言葉があり、プロジェクトで「何人トラックに轢かれても大丈夫か」・・・つまり、ペアで作業を行い多くの人のスキルを上げていく必要があります。

タイムリーにも Matz さんが書いています。(さいとう注)

PF のなりたち

ファシリテーションは参加型意思決定であり、実践は日々変化していくものです。まさに「風に揺れるリンゴ」です。

目的 : なぜ PF が重要か

PF は場作りであり、プロジェクトマネージメントではありません。QoEL (Quality of Engneering Life) の向上である。(ちなみに QoL は、人生の時間よりも質を高めるためにホスピスなどで用いられる言葉です)

見える化

見える化は「行動に繋がる見える化」でなければいけません。

名前付け

名前は自分と他人に気付きを促すものです。

問題対私たちの構図

WinWin? はまさに「私たち」が勝ったことです。(だから 2 つ)

カイゼン

自分たちで来週からできることだけがカイゼンです。

全体構成

リズムも重要で、必ず人間のリズムでなければいけません。

導入のポイント

20 代、30 代の人が必ず中心に行います。

最近、Life Hacks と言う言葉がありますが、まさに「Getting Project Done」が PF です。

Without Practice, No Emergence

750 年続いている教えには何かが必ずあります。

懇親会

平鍋先生のファシリテーションに限らず、多種多様な話題が飛び交う懇親会になりました。なので、全てを書ききることすら困難なので、パス。ただ、平鍋先生の終始にこやかな顔が印象的でした。

また、「ギターコードを見る chordview」の awk スクリプトの話をすると、非常に喜んでくれました。

あとがき

適当にメモしたものから書き起こしていますので、不適切な表現や間違っているところがありましたら、ご指摘ください。後で、他でこのメモを使うため、リンクなどは Wiki ライクでない表記がありますが、お許しください。


コメント

Re:訂正 - さいとう (2007年02月28日 23時51分39秒)

平鍋先生の名前が平林に一部なっていました。申し訳ありませんでした。

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